ノーベル文学賞受賞者ラドヤード・キップリング（Rudyard Kipling）の代表作『ジャングルブック（Jungle Book）』は、これまで何度も漫画化、アニメ化、映画化されました。十歳の時、アクラム・カーン（Akram Khan）は、インド舞踊版の『ジャングルブック』でモーグリを演じました。37 年後、すでに有名になったカーンは、 21 世紀の現在最も切実な問題である気候変動問題を通して、再びキップリングの物語を演じたいと考えました。新たな物語では、モーグリは気候難民として描かれます。インドからロンドンへやってきた時、街は荒れ果て、この近代的な都市はすでに大自然に回帰していました。道には人が一人もおらず、街は様々な動物たちに占拠されてジャングルになっていました。アクラムは、難民の目を通して地球の永続について洞察します。モーグリはジャングルを征服する森の王子ではなく、動物たちの声に耳を傾け、大自然と共存していく人間として描かれています。これは、アクラム・カーンが、大自然に対する畏敬の念を表現した作品であり、改めて人類の地球に対する愛を考えさせる作品でもあります。

世界ツアーを行う振付師のアクラムは、永続性を目標とし、強力なカンパニースタッフと共に、モーショングラフィックを介して『ジャングルブック』の舞台を作り上げます。スタッフ人数や舞台背景を極力減らし、CO２削減に取り組みながら世界ツアーを行っており、台湾では当歌劇院が他に先駆けて上演します。舞台道具も台湾で調達した資材によって台湾で制作することで、国外から資材を移動させることによるCO2の発生を削減し、アーティストと共にグリーンエネルギーの創意コンセプトを進めていきます。