台中歌劇院第1期レジデンス・アーティストの王靖惇が脚本と演出を、レッド・シアター・グループの梁允睿芸術監督が楽曲制作と演奏を担当し、台湾の3大娯楽賞である「三金」（金馬奨、金曲奨、金鐘奨）をすべて受賞している陳建騏を音楽監督として迎えました。本作は2020年に脚本と楽曲の制作を始め、2年を費やした後、朗読コンサートのスタイルで初演を迎え、観客に披露されました。

英雄はアスペルガーの男の子。慢慢はネット上で高い人気をもつ情熱的なライバーです。

毎晩8時半、英雄はモニターの前で慢慢のライブ配信を待ち構えます。ところが思いがけないことに、英雄の何気ないメッセージで、慢慢はネット民の誹謗中傷にさらされることになり、視聴者数は一気に減ってしまいました。急いでお金を稼がなければならない慢慢は、やむなく、英雄の素晴らしい歌声を利用することにし、独自の物販モデルを生み出してライバートップの座に返り咲きました。しかし、英雄に対しては、自分自身の身体の状態や、お金を稼がなければならない動機を隠しています。真相が明らかになったとき、英雄には、人生における困難な選択と向き合うだけの勇気があるでしょうか。

英雄が慢慢に出会った時、アスペルガーの男の子が体に障がいのある女の子に出会った時、

二人は出会ったことで、互いの人生を悔いのない、よりよい、美しいものにすることができたのでしょうか

紅潮劇集レッド・シアター・グループ

2014年に梁允睿が創立。オリジナル音楽と劇をベースに、現代人の内面にある弱さ、切なる願い、真実の一面を追求する。強烈な音楽性と生活に密着したテーマを中心に、舞台作品以外に、台湾の素材を使ったオリジナル中国語ミュージカルの構築も模索しており、人と人の間に生じる特別な感情の交流を、ミュージカルを通して人々の心に働きかける芸術表現に転換している。