雲門50 鄭宗龍『波』
10/28(土)14:3010/29(日)14:30
雲門舞集(クラウドゲート)50周年に、芸術監督の鄭宗龍が、リオデジャネイロオリンピック閉会式のフラッグハンドオーバーセレモニー「8分間」でチーフ・テクニカル・ディレクターを務めた真鍋大度と手を携えます。ダンサーの流れるような身体の動きを解析し、筋肉や呼吸をデータ化し、プログラムの学習とアートの屈折を経て、身体とテクノロジーを突き破る現代の大作『波』。見えない波を、目に見える身体によって完全に表現したものです。
鄭宗龍と真鍋大度は構想する過程で、身体とテクノロジーの相互関係に注目し、引き算の美学を生み出しました。二人は、人工知能(AI)とテクノロジーツールを使った実験を身体の動きのベースとして、身体に隠されたエネルギーを呼び起こし、音楽と映像、空間という異なる次元を貫き、一連の波を作り出しました。
2019年、鄭宗龍は『毛月亮』を創作し、人類とテクノロジーというテーマについて初めて思索を深めました。雲門50周年に当たり、鄭宗龍とチームはダンスとテクノロジーの本質を結び付け、波の物理的特性と象徴的な意味を作品のなかで出会わせました。今作は、ストーリーはなく、ただ身体だけがあるというものです。
芸術監督、振付/鄭宗龍(チェン・ゾン・ロン)
2020年、雲門舞集の芸術監督に就任。台北の艋舺(万華)生まれ。幼少期の店先で客を呼び込んだ経験に創作のインスピレーションを得、路上のテンションとさまざまな人間模様を絡めた作品を発表している。ドイツのNo Ballet現代振付コンクールで銅賞、スペインのマスダンザ(コンテンポラリーダンス・フェスティバル)で優勝。2016年の作品『十三声』では台湾の古い、庶民的な文化の記憶を掘り起こし、2020年にフランスのパリとリヨン、英国のロンドン、スエーデンのストックホルムで公演し、フランスメディアに「目を引くような成功」と評された。
2019年の『毛月亮』では、ヒューマニティとテクノロジー、現代性、未来性を組み合わせ、国際的なダンスレビューウェブサイトのシーイング・ダンスで「獰猛で美しい」と評された。2020年の『定光』は身体と自然を融合させた作品で「精巧な造形だ。一度ならず二度観るべき作品」と評された。2022年の『霞』では、サクソフォンによるバッハの『無伴奏チェロ組曲』を導入に使い、ダンサーの身体で人生を語らせた。
2020年には、アクラム・カーン、ウィリアム・フォーサイスとともに「50 Contemporary Choreographers」(Routledge & CRC Press)に選ばれた。
映像、プログラミング、音楽デザイン/真鍋大度
2006年、ライゾマティクスを立ち上げる。
作品は、日常的な素材や現象に新しいアプローチをしたものだが、その目標は、高画質で高い臨場感のある豊かな表現ではなく、深い観察を通して各種の現象や身体、プログラム、コンピューターそのものの固有の面白さを発見することにあり、アナログとデジタル、リアルとバーチャルの関係や限界を描き出し、さまざまな分野で活躍している。
雲門50 鄭宗龍『波』
ダンス
上演時間約65分、途中休憩はありません
600/800/1000/1200/1500/1800/2000
※上演時間約65分、途中休憩はありません
※推奨年齢7歳以上
※上演中はまぶしい光や大音量が使用されます。ご了承の上ご入場ください。