ロベール・ルパージュの代表作。想像を超えた才能で心と精神に同時に働きかける作品─英紙「ガーディアン」

実に優れた俳優によって演じられる素晴らしいパフォーマンス。悲しく、おかしく、驚き、華麗で、面白い、考えさせられ、元気づけられる。─「オーストラリアン」

「宇宙をより理解しやすくすると同時に、より神秘的にする素晴らしい演劇作品......」-「ボストングローブ」

哲学を研究している学生のフィリップと天気予報士のアンドレは兄弟で、職業も違えば、互いに競い合い激しく確執があるのですが、ふたりとも宇宙の秘密に取り憑かれています。母親が亡くなったことで再会し、親がこの世からいなくなったことと向き合います。家族から責められたことで、二人の少年時代の傷が明らかになります。二人は人類が月に到達したという共通の思い出をきっかけに話をするようになり和解します。

『月の向こう側』は2000年3月、カナダのケベックで初演、今日までに45の都市で上演されています。イヴ・ジャックは非常に細かな演技で、兄弟間にある心の矛盾と競いあう関係を見事に解釈し演じます。ロベール・ルパージュの演出は物語が独特で、視覚的にアレンジされた魔法です。これにローリー・アンダーソンの音楽が加わり、さまざまな時間と空間環境を繊細に切り取り、観客が休む間もないほどの舞台シーンを作り出します。「月の向こう側」では、2人の兄弟の物語を通して、宇宙の謎を追求し、無に直面する人類の旅を紹介します。

脚本、演出／ロベール・ルパージュ

カナダのケベックに生まれる。現代で最も影響力のある舞台演出家の一人。劇作家、俳優、映画監督として、劇場、映画、オペラ、コンサート等で活躍するオールラウンドな才能と能力は高く評価されている。ミザンセーヌと舞台演出により物語を語ることに長けている。多くの作品にテクノロジーやマルチメディアを用いた舞台をつくり、観客の予想を超えた演出で、素晴らしい想像力と独創性を示します。多くの国際的な大賞を受賞し、「現代のダビンチ」とも例えられている。

俳優／イヴ・ジャック

カナダの映画、テレビ、舞台俳優。ロベール・ルパージュ監督とともに『月の向こう側』『アンデルセンプロジェクト』に参画。2001年より『月の向こう側』の世界巡回公演を行っている。ジャックとルパージュ監督とのコラボは多年にわたり、引起パリのオデオン座の芸術監督、リュック・ボンディの目に止まり、『謊心計』（“False Confessions”）で主要な役を演じた。多くの映画にも出演しており、アカデミー賞受賞のドゥニ・アルカン監督、フランスの映画監督のクロード・ミレールの作品にも出演。出演した作品は多岐にわたり、すぐれた演技力を持ち、観客からの支持も高い。

機器神Ex Machina

1994年、ロベール・ルパージュにより創設。名称に「劇」を入れる必要はないと考え、パートナーに着想し命名した。ジャンルをまたぎ活躍しており、メンバーも俳優、ライター、舞台デザイン、人形使い、デジタルデザイン、雑技団の団員等、多岐にわたる。「芸術スタイルの枠組みは、確立された芸術的概念と構造によって制限されるべきではない」という理念を堅持し、期待自身が創意を育む実験室となり、さまざまなアーティストや観客からの挑戦を受け入れ、観客を感動させられる新しいスタイルを生み出すことを目指している。

演出製作團隊

脚本、演出／ロベール・ルパージュ

俳優／イヴ・ジャック

作曲／ローリー・アンダーソン

製作／機器神Ex Machina