『ブーム』第一部は、2021年、台湾において大きな反響を呼びました。これを受け、2023年春に第二部と第三部が同時に上演されることになりました。

カナダの俳優リック・ミラーは、脚本、演出をも手掛けるマルチな才能を持つアーティストです。『ブーム』三部作は、25年を一つの単位とし、三部作300分間で75年の時空を駆け抜けます。一人芝居とマルチメディアを駆使し、100人以上の著名人を演じ分けます。数々の名曲に乗せて本音を語り、歴史を描き、笑いの中から過去を振り返り、今を経て未来へと思いを馳せます。『ブームＸ』は、『ブーム』に続く年代を描いた内容で、1969年のウッドストック・フェスティバルのシーンから「Ｘ世代」のタイムトンネルにいざない、ディスコ、石油危機、冷戦、テレビゲームからパンクロックの台頭までを描きます。ミラー自身の物語で、同じ「Ｘ世代」に身を置くミラー自身がどのように青少年の憤りと対立の中で成長してきたかを語ります。『ブームＹＺ』は、1996年以降に生まれた、ネット時代の「ミレニアム世代」とも言われる「Ｙ世代」と「Ｚ世代」から物語が始まります。ミラーは次の世代に目を向け、ネットやテクノロジーによって世界が新しい頁へ移っていく一方で、夢と焦りをともに抱えている若者たちの姿を描きます。時間は現在へと移り、エンディングは、このブームの旅をミラーとともにする我々の手にゆだねられます。