明華園戲劇総団 『散戯』
12/21(土)14:3012/22(日)14:30
「劇は、こうして終わりを迎えた―」高校の国語の教科書に必ず登場する郷土文学作家・洪醒夫の短編小説『散戯』が舞台化されました。明華園戲劇総団が脚本・舞台演出家の黄致凱とタッグを組んで送る笑いあり涙ありの、文学と演劇の垣根を超えた作品です。『陳世美と秦香蓮』の劇中劇や、どんどんズレて荒唐無稽になっていくパフォーマンスによって、かつての歌仔戯の「做活戲(即興劇)」の特色を引き出します。劇中でヒロイン秀潔の思い出を通し、1960~70年代に台湾歌仔戯が、華やかな劇場での全盛期から野外舞台へと衰退していったこと、そして、映像産業の台頭による衝撃を受け、役者や劇団の経営者たちは事態の打開に打つ手もなく過ぎ去っていった歳月を描きます。
『散戯』は2016年の初演で、興行的にも成功を収めている作品です。明華園は創立95周年を迎える今年2024年に、過去100年にわたる歌仔戯の栄枯盛衰の歴史を上演し、台湾歌仔戯の黄金時代と、その先人たちに敬意を表します。作品では伝統劇と現代劇を様々な手法で融合し、回転舞台を用いることで、60年代の歌仔戯劇団「玉山歌劇団」の舞台での公演の様子と舞台裏の日常という2つの世界を展開します。観客に「舞台では他人の物語を演じながら、自分の涙を流す」ことを実感してもらう、表舞台と裏舞台の様子を織り交ぜた、悲しくもありおかしくもある時代劇です。
芸術監督/陳勝福
明華園一門を率い、芸術面、興行面、技術面で3度の改革を行い、台湾歌仔戲に新たな命を吹き込み、革新的な公演によって、いちどは衰退した台湾歌仔戲を、学者、観客から大きな注目と称賛を集めるまでにした。また、積極的に芸術分野を開拓し、歌仔戲を国家芸術の殿堂へと押し上げ、国際舞台へと羽ばたかせた。
プロデューサー/陳昭賢
明華園三代目の後継者。幼少期から民俗舞踊とバレエを習い、明華園では多くの作品の振付けを手掛けている。民族舞踊、モダンダンス、バレエなど様々な要素を取り入れることで、伝統的な戯曲に新たな世代の活力を吹き込んでいる。2018年より劇団の総合プロデューサーとなり、文学や漫画などの台湾に伝わる題材を歌仔戲に取り入れ、積極的に伝統的な戯曲の若い世代観客層の開拓に努めている。
脚本・演出/黃致凱
「故事工廠」の芸術監督。台湾大学戯劇科第1期卒業生。「屏風表演班」で演出を担い、李国修に11年間師事した。物事を面白おかしく捉えるのが好きで、手法は大胆で革新的で、登場人物が追い詰められたときに見せる真の感情や人間性などを表現するのに長けている。近年ではオリジナル作品の他既存の作品のリメイクや、異なるジャンルとのクロスオーバー作品などにもチャレンジしており、明華園では『散戯』のほか『侠猫』、『海賊の王』、『八堡圳伝説』など多くの人気作品がある。
明華園戲劇総団
1929年に創立された、台湾の「歌仔戲」の伝承、発展を志してきた歌仔戲一家。伝統的な基盤に新しい時代の要素を取り入れる、台湾で唯一、専属の脚本家・演出家と役者を有する歌仔戲劇団。一家は全員、歌仔戲の役者となり、強力な制作陣や役者が揃い、東洋芸術の独特なスタイルを持つ、台湾の舞台芸術界で伝説的な存在となった。
明華園戲劇総団 『散戯』
演劇
上演時間:約160分(途中休憩なし)
言語:台湾語/字幕:中国語、英語
※上演時間:約160分(途中休憩なし)
※言語:台湾語/字幕:中国語、英語
※推奨対象年齢:7歳以上