複象公場(ザ・ダブル・シアター)『あなたの声を、聴かせて』
08/22(土)14:3008/22(土)19:3008/23(日)14:30
「私は書く。ただ、あなたの声を聴きたいから」
作家になる夢を抱く聾の高校生・大樹は、手話と文字とのあいだに横たわる翻訳の隔たりに葛藤しながら、「聴者の世界」をより深く理解したいと願っていました。友人・宜恩の紹介で、大樹は才能にあふれながらも世をすねた作家・逸翔と出会います。二人は文学を通して共鳴し、大樹は逸翔に導かれるように社会運動の熱狂に身を投じ、五感が震えるような鮮烈な体験をします。煙草の匂いと月の光が交錯する青春の中で、言葉に尽くしがたい感情の波紋が広がっていきました。大樹と逸翔が次第に距離を縮めていく様子を見て、宜恩は大樹の純粋さが失われていくのではないかと恐れ、「愛情」の名の防壁を築くことで彼を守ろうと試みます。こうして三人の運命と複雑な感情が交錯していきます……。やがて大樹は、聴者もまた創作に葛藤し、脆さを抱えていることを知り、二つの世界に本質的な違いがないことに気づきます。そこで彼は、聴者の言語を基準とすることへの執着を手放し、自らの方法で最も純粋な生命の物語を書き記すことを決意するのでした。
本作『あなたの声を、聴かせて』は、「音声中心」の視点を問い直し、手話と音声言語を等しく演出言語として用います。さらに「表現としての舞台手話通訳」を取り入れることで、手話の美学を舞台空間に深く織り込みました。ここでは手話を単なる機能的な通訳にとどめず、流動する身体的視覚へと昇華させ、出演者とともに劇場固有の言語を紡ぎ出します。耳の不自由な観客にとっては、感覚の核心に直接訴えかける感情の揺さぶりとなり、聴者の観客にとっては、「聴くこと」と「理解すること」の定義を改めて問い直す契機となることでしょう。
複象公場(ザ・ダブル・シアター)
2014年設立。劇団名はアルトーの著書『演劇とその分身』(台湾でのタイトルは『劇場及其複象』)にちなむ。また、「公場」とは公共空間および日常生活を映し出す場として定義されている。長年にわたり、グローバル化の文脈における人間関係と社会的現実に関心を寄せ、文献考察と多様なテクノロジーを組み合わせた創作手法を基調として活動してきた。代表作には、ランドスケープとテクノロジーを融合させた『大橋1988』、心身障害の美学を探究する『我們在安静中跳舞』(私たちは静寂の中で踊る)などがある。2022年の作品『回家』(帰郷)は「台新芸術賞」の年度作品にノミネートされ、2023年にはエディンバラ・フェスティバル・フリンジ「台湾シーズン」の参加団体に選出され、全23回の公演を行い高く評価された。現在も劇場という形式を通じて、観客が異なる視点から、見慣れた現実を再考することを促している。
複象公場(ザ・ダブル・シアター)『あなたの声を、聴かせて』
演劇|身体劇場
上演時間約60分、途中休憩はありません
$700
台中国立歌劇院
※上演時間:約60分、途中休憩はありません。
※推奨対象年齢:7歳以上。
※公演内容等に変更が生じた場合は、公式サイトにてお知らせいたします。