シェイクスピアズ・ワイルド・シスターズ・グループ『リチャード三世・リミックス』
10/08(金)19:3010/09(土)14:3010/10(日)14:30
2012年、英国レスター市中心部の教会のそばにある駐車場で、リチャード三世とみられる遺体が発掘され、DNA鑑定によりリチャード三世のものと確認されました。シェークスピア作品では、性格が暗く背中が曲がり足を引きずっていたと描かれたこの人物は、歴史的に悪名が高く、童謡では怪物扱い、正真正銘の破壊者、邪悪と同義語として使われています。ところが、400年後、歴史学者や作家らが、その名誉回復に向けた取り組みを続けています。
歴史を顔に例えるなら、それはどのように作られ、どのように作り変えられるのでしょうか。2015年の初演では口コミで評判が広がり、再演の問い合わせが相次ぎました。「神劇」と評価されたこの『リチャード三世』は、観衆が待ち望むなか、改訂版の『リチャード三世・リミックス』として再び舞台に戻ってきました。台湾演劇界の大物演出家、王嘉明は、インスタント動画やライブ・アフレコ、人形を使ってシェークスピアの歴史劇を解釈し直し、400年前の歴史的なストーリーを、昨今の台湾の政治の混乱した現象に映し出すとともに、歴史とは何か、何が真実何かを問いかけます。
演出/王嘉明
台湾大学地理学科、台北芸術大学劇場芸術創作大学院卒業。現在は劇団「シェイクスピアズ・ワイルド・シスターズ・グループ」の団長。入り組んだ作風や実験性、大衆的な演出で知られる。パフォーマンススタイルの特殊な設計を通して、俳優たちと共同作業を行い、演劇の可能性と向き合い思索を深めている。2018年には「東京芸術祭」に招待され『珈琲時光』を、2019年には、「パリ・フェスティバル・ドートンヌ」において招待公演として『ディア・ライフ(親愛的人生)』を上演し、48年の歴史をもつフェスにおいて初めて台湾の戯曲作品を披露した。2009年、高雄で開催された「ワールドゲームズ2009」では開幕式第3ステージの演出を、2014年の「第51回金馬賞」では映画の2次審査と最終審査の審査員を、そして、2014年から2016年まで、「伝芸金曲賞」のキュレーター兼セレモニーディレクターを務めた。