暗闇がなければ、光で魔法を作ることはできない

夜になり、静まり返った世界はどのような姿をしているのでしょう。デンマークの劇団・シアターリフレクションは劇場を夜の魔法の世界に変えてしまいます。リビングの戸棚やクローゼットがオブジェクトシアターの中で塔や小屋に大変身。ムクドリの歌声が夜の始まりを告げると、黒い服に身を包んだミスター・ナイトが街を仕切り始めます。夜も更けてくると忙しくなり、棚の中で泣く赤ちゃん、クローゼットの上で音を出し続けるゲーム機、一つひとつ解決しなければなりません。そして、すべてがようやく静かになったとき、ひとりの寝ない子どもが現れます。この子は夜の暗闇の中、誰が静かな町を守っているのか知りたがっているのです。そして、ムクドリの鳴き声が朝を知らせるまで、ミスター・ナイトと子どもの不思議な旅が始まります。

デンマークのカンパニー、シアターリフレクション（Teater Refleksion）とアンディ・マンリー（Andy Manley）は、詩的で子ども向けの作品で世界的に有名です。『ナイトライト』は、2017年エディンバラ国際児童フェスティバルのために創作、初演された作品です。子どもたちに夜の闇を恐れないでほしいというのが創作理念で、闇がなければ、光で魔法を作り出すこともできないのですから。これまでにデンマーク、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、スペイン、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、中国、日本で巡回公演を行っており、世界中の子どもたちや大人に愛されている作品です。

俳優／アンディ・マンリー（Andy Manley）

イギリス出身の舞台アーティスト。もともとは俳優で、スコットランド王立音楽院で訓練を受け、フランスのフィリップ・ゴリエが創立したエコール・フィリップ・ゴリエ演劇学校で学ぶ。2006年から創作を始め、子どもや若い人のための舞台作品を得意としている。今までに多くの児童劇団とコラボレーションしており、子どもの興味を大いに惹きつける作風は世界中で人気を集め、世界各地での巡回公演を行っている。2012年にはエディンバラ・フェスティバル・フリンジで『Pondlife』を上演し、ヘラルド・エンジェル賞を受賞した。

シアター・リフレクション

デンマークの人形劇劇団。1990年以来、子どもやファミリー向けの作品を創作。作品は人形、音楽、少量のテキスト、そして独特なビジュアルや美しさを通した、誰もがわかりやすいストーリーが特徴。どの公演においても、親しみやすく、洗練された、心を引き付ける雰囲気のあるパフォーマンスで、子どもから大人まで、誰もが本物の臨場感あふれる舞台を楽しむことができるよう演じる。