ロメオ・カステルッチ『BROS-兄弟』
11/24(金)19:3011/25(土)14:3011/26(日)14:30
公募によって集められた俳優たちは、遠隔で受けた命令を実行するという契約に署名します。集団行動は個々の思考を抑圧し、警察官の制服を着た一群は、「法を執行」することによる構造的な暴力を表現します。これは神秘的な記号に満ちた密教的な儀式のようで、観客は舞台で繰り広げられる残酷さと直に向き合うように迫られます。カステルッチによる予測困難な舞台の情景を解読する時、自らが「悪の凡庸さ」に加担しているのではないかとさえ思ってしまいます。
人間性の罪悪を探究するところからギリシア悲劇は始まり、劇場は罪悪を体験する空間となります。2018年、フランスで「黄色いベスト運動」が起きた当時、パリでミュージカルの演出をしていたカステルッチは、警官が滞在先の前を巡回するのを毎日見ており、「制服が発散する権威に私に一種の罪悪感を覚えた。私は社会的または政治学の視点からではなく、人類学の視点からこのような権力について探索したいと思い、ある意味純粋でプリミティブのようでもある視点を用い、私に獲物になったような意識を覚えさせた状況をあらためて取り上げた」と語ります。『BROS-兄弟』は、壮観で残酷な視覚効果や奇妙さ、謎めいたイメージや記号によって、ぞっとするような恐ろしい行動へと導きます。
ロメオ・カステルッチ『BROS-兄弟』
演劇
上演時間約80分、途中休憩はありません
600/900/1200/1500/1800
※上演時間約80分、途中休憩はありません
※せりふのない作品です。
※巨大な音響、銃声、スモーク、暴力、肌の露出があります。
※推奨年齢15歳以上