Factory International×黄若 『City of Floating Sounds』
03/28(土)10:0003/28(土)15:0003/29(日)10:0003/29(日)15:00
街の音が楽章の序曲と溶け合うとき、クラシックも音楽は、もはやかしこまって聴くものではなく、個人的な没入型(イマーシブ)な旅へと変わります。これは、劇場の座席を離れ、日常の都市の路地や緑地をめぐるコンサートです。作曲家の黄若が世の東西の音楽概念を融合させ、人びとのクラシック音楽に対する体験を根本から覆します。
『 City of Floating Sounds』は「都市の旅」と「ライブ演奏」の二部構成で、クラシック音楽の鑑賞と演奏の場の境界線を打ち破ったプログラムです。観客は6つの都市ルートから一つを選択肢、スマートフォンアプリのガイドに従いながら路地を巡り、英国BBCフィルハーモニックの演奏を聴きます。個々のスマートフォンから聞こえる音は異なることもありますが、都市を巡る道中で出会う愛楽家や都市のサウンドスケープがゆっくりと集まり、人びとが合流するとき、すべての音がひとつの完璧なオーケストラのハーモニーへと溶け合います。
旅の後半は、台中国立歌劇院で展開されます。指揮者の張致遠が国立台湾交響楽団を率い、『City of Floating Sounds』の完全版をライブ演奏します。このコンサートは、舞台と観客席の垣根を取り払い、観客は各楽器の間を自由に歩き回り、探索することができます。弦楽器の弓と弦が擦れる音、管楽器の温かくも輝かしい響き、そして打楽器が空気を揺さぶる振動などを間近で体感し、歩きながら再び一枚一枚の音のタペストリーに優しく包み込まれることでしょう。
この公演では、あなたも私も傍観者ではなく、都市の多様な活力と生命力を、この音の宇宙の中心にともに集める存在となるのです。
作曲家/黄若 (ホアン・ルオ)
ニューヨーク在住の華僑作曲家。『ニューヨークタイムス』で「独特のスタイルをもつ作曲家」と称賛されている。彼の音楽言語は生き生きとして創造性に富んでいる。中国の古調と民俗音楽、西洋のアバンギャルドと実験音楽、ナチュラルサウンドとEDM、ロックとジャスからインスピレーションを得ており、自ら名付けた「ディメンショナリズム(Dimensionalism)」という技法を用い、流れるような有機的な融合スタイルを創り出している。
その多様な曲風は、管弦楽、室内楽、オペラ、演劇、ダンス、クロスオーバー作品、サウンドインスタレーション、建築インスタレーション、マルチメディア、実験的即興パフォーマンス、フォークロック、映画など、多岐にわたる。
これまでオペラ9作品を共同制作し、そのうち『An American Soldier(あるアメリカの兵士)』(脚本家デイヴィッド・ヘンリー・ウォンとの共作)は、2018年にセントルイス・オペラシアターで初演を迎え、『NYタイムス』により、同年のベスト・クラシック音楽公演の一つに選ばれた。2015年にはアムステルダム・コンセルトヘボウの初のコンポーザー・イン・レジデンス、およびブラジル・サンパウロ交響楽団の客員作曲家を務めている。
ECHOES
創造的な技術ソリューションを専門に提供するイマーシブ聴覚体験の分野における第一人者。オーディオAR、条件式トリガー、ビートマッチングといった技法を用い、ロケーティブ・オーディオの新たな可能性を切り開いている。その設計は、サウンドと位置情報の処理に特化した技術であり、英国ロイヤルパークスと王立アカデミーとの共同プロジェクトである『Music for Trees』アプリや、ニューヨーク・フィルハーモニックと共同制作した中央公園『Ellen Reid SOUNDWALK』のアプリなどがある。ECHOESはまた、クリエイターが室内または屋外のリニア(線形)なオーディオ体験を独自に制作、発表することができるプラットフォームを運営している。現在、すでに1万人を超える会員数を擁し、3000以上の公共の音声ガイド作品を発表している。
BBCフィルハーモニック
新世代に向けて管弦楽体験を再定義し、既存の概念に挑み、イノベーションを支持することで、その豊かな音楽を多くの人に届けている。マンチェスターのブリッジウォーターホールでの定期演奏に加え、BBC Radio 3チャンネルやBBCサンドアプリでは、イングランド北部の各ホールやBBCプロムス音楽祭、および各国のコンサートツアーでの演奏を放送している。BBCフィルハーモニックは、Chandosレコードのもとで定期的にレコーディングを行っており、これまでに300枚を超えるアルバムとデジタルダウンロード・コンテンツをリリースしている。またさまざまな活動を通じて、グレーター・マンチェスターのみならず、イングランド北部、英国全土、さらには全世界の人々に、人生を変えるほどの音楽体験を届けている。
Facroty International
マンチェスター・国際フェスティバル(MIF)の主催団体であり、マンチェスターの新たなランドマークである文化施設「Aviva Studios」の運営も行っている。壮大なビジョンを掲げ、MIFのような世界トップクラスの芸術祭の伝統を継承し、オリジナル作品、音楽、特別イベントなどの年間を通したプログラムを制作している。また、世界初の、完全に委託制作を専門に手掛ける意欲的な芸術祭主催団体である。
Factory International×黄若 『City of Floating Sounds』
音楽
500/1000
※全プログラム所要時間は約105分です。前半(30~40分)は屋外での体験、その後、歌劇院に戻り、休憩をはさんで後半は、遊歩型のコンサートです。(午前の部11:00~/午後の部16:00~、いずれも約45分)。
※屋外での徒歩移動があるため、当日の天気に合わせた歩きやすい服装と靴でお越しください。
※ご自身だけの旅を創造しませんか。どこから出発していただくか、ご自身でお選びいただけます。歌劇院周辺の散策しながら、または歌劇院の外で音楽を聴きながら、コンサートが始まるのをお待ちいただくこともできます。