蘇威嘉による10年振付けプロジェクトは７年目に入りました。2017年の『自由歩FreeSteps－沉浸式曲線』後、今回で曲線を多用する台中歌劇院における2回目の挑戦となります。『FreeSteps自由な歩みが見える』は、台中歌劇院凸凸ギャラリーの特殊な曲面デザインを使い、AR拡張現実によって自由な鑑賞方法を新たに生み出します。観客はタブレット端末やスマートフォンを手にし、空間を自由に動き回り、ARを介して自分が見たい視野角を見つけ鑑賞します。

振付け家の蘇威嘉は身体を探るという初心に戻り、6名の台湾の優秀なダンサーとともに体のさまざまな可能性を鍛え上げ、ボディランゲージとダンスを出会わせ、魅力的なスタイルで特殊なカーブを描く空間において12の身体風景による「自由歩」を描きます。デジタルサイエンスを用いることで、肢体に永遠と多様な身体を刻み、時空の隔たりをなくし、観客にとって時間、角度、距離に制限されない「見る」と「演じる」の新たな自由な見方を生み出します。

振付け／蘇威嘉

驫舞劇場（HORSE）のコアパーソン。呉素芬教授に啓発され、2004年に驫舞劇場（HORSE）を創設。ダンスカンパニーで振付け、作品創作、公演を行っている。2007年、作品『速度』で第六回台新芸術賞パフォーマンス部門年度大賞を受賞。2012年には陳武康とのコラボ、自伝的な作品『両男関係』でドイツの振付けコンテスト金賞、及び最優秀観客賞を受賞。2009年から2013年、アメリカのバレエダンサー、エリオット・フェルドに招かれ、「バレエテック」にビジティングダンサーとして加入。2013年より『自由歩FreeSteps』をテーマとした10年の振付けプロジェクトを手掛けている。ライン、ダンスステップ、スタイリング、リズム、音楽、光線の関係を掘り下げ、ダンサーのボディの細部と限界を追求。さらに、観客とパフォーマーのさまざまなイメージと情感を結びつけることで、美しさを極限まで高めるパフォーマンスとの評価を受けている。
 

接力棒有限公司GELLYBOMB GAMES

台湾における代表的な拡張現実（Extended Reality, XR）ゲーム化体験コンセプトデザイングループ。代表作の『昨日的艾莉若』はAR技術を現実ゲームに導入したもので、その革新的なプレイは世界的にも評価されている。第一回「Vision VR/AR Summit Award」では、最も優れたAR体験に送られる最優秀賞を受賞。現在は各種企業のXR相互体験の統合設計とカスタマイズされたコンテンツ開発の提供、及びゲーム化を基礎コンセプトとしたデザインに重点をおいている。

Dimension Plus

蔡宏賢氏と林欣傑氏により2009年に創立。アート創作及びサイエンスメディアを専門とする。ニューメディアを応用し空間とさまざまな領域とを結合させたインタラクティブな創作を得意とし、実体を互いに接触させることで、観客や展示空間、そして作品との間の相互作用を高める。作品はさまざまな博覽会、展覧会、アートフェスティバルで見ることができるほか、世界各地からも展示や創作の招待を受けている。2012年アジアデジタルアート大賞、2013年アジアデザイン賞金賞等を受賞。2013年、パフォーマンスにも活動の場を広げ「台湾科技与表演芸術媒合服務中心（Taiwan Performing Arts and Technology Center）」の運営を開始した。

固態記憶

台湾で初めてPhotogrammetry超高解像度3Dスキャンを行った。100台の一眼レフを用い360度高速同時撮影システムを構築し、一秒で最大解像度の映像を撮影することで、毛穴レベルの細かな撮影も可能。最も優れているのは正確な色を捉えられることで、スキャンしたものの材質、痕跡を正確に記録できるほか、人物や物の細部の記録も可能。


 

振付家、プロジェクト芸術統括／蘇威嘉

ダンサー／陳武康、周書毅、張建明、李尹櫻、呉孟珂、方妤婷

プロジェクト顧問／蔡宏賢

AR拡張現実／接力棒有限公司（Gelly Bomb Game Studios Co., Ltd.）

360度高速同時撮影／固態記憶（Solid Memory Co. Ltd. ）

プロデューサー／黄雯

製作総指揮／楊蓉

メインビジュアルデザイン／簡靖慈

メインビジュアル撮影／陳韋勝