『複眼人』
04/24(土)14:3004/25(日)14:30
作品紹介
神秘の島ワユワユ島からやってきたアトレーは、島の風習により、生まれてから180回目の満月に島を離れなければなりません。島を出た船の行き先はわかりません。台湾東部の海沿いで一人暮らしをしているアリス教授は、息子のトトと夫が登山に行ったまま行方不明になって以来、ずっと死のうと思っていました。ブヌン族のダハとアミ族のハファンは、全く違う人生を送っており、常に人生を模索しています。この日、太平洋のゴミがうずまきながら台湾に押し寄せ、その瞬間、全ての運命が絡み合います。現実と想像が絡み合う人生の物語は、困難のなかからの選択と、弱ってもがいているときの生き様を描きます。「複眼人」は静かに傍観しながら人間の記憶の奥底にある絶望、忍耐、思考を見届けます。
呉明益の長編小説『複眼人』はすでに10数カ国で出版されています。今回の舞台は台法文化賞を受賞しており、ドイツ出身の演出家ルーカス・ヘムレブにより舞台化されました。演劇、人形劇、交響楽、マルチメディアを組み合わせ、台湾の豊かな人間環境や文明が生態環境に与える影響を観察しながら、「複眼人」の視点で注視し、土地や自然への関心を呼び起こします。