ヴェルディ『ファルスタッフ』
10/31(木)19:3011/01(金)19:3011/02(土)14:3011/03(日)14:30
1893年、ヴェルディは最後のオペラ『ファルスタッフ』を完成させました。シェイクスピアの戯劇『ウィンザーの陽気な女房たち』と『ヘンリー4世』に登場する架空の人物、ファルスタッフに題材を得たもので、ヴェルディの作品としては数少ない喜劇作品です。作曲構成は完璧で、速くて複雑なテンポで登場人物の起伏に富んだ掛け合いが表現されています。演出のジョナサン・ミラーは、精緻なアレンジを通じて、音楽と演劇を完璧に融合させました。フィナーレの大フーガ「この世はすべて冗談」は、80歳を迎えた作曲家が人生で得た悟りを軽快かつスユーモラスに伝えます。
舞台・衣装をデザインしたイザベラ・バイウォーターは、シェイクスピア作品の時代の時空背景を忠実に再現し、17世紀のオランダ黄金期の絵画を参考に、当時のヨーロッパ社会の庶民の日常を再構築しました。劇場の美学としては、光と影の効果を駆使し、その時代の人物のリアリズムと質感を表現しています。劇中の舞台セット、道具、衣装は東京の新国立劇場から台湾に運ばれたものです。国家交響楽団(NSO)の音楽監督、準・メルクルが指揮するこの作品は、国内外の素晴らしい声楽家とNSOが共演する、含蓄のあるオペラの饗宴です。
ヴェルディ『ファルスタッフ』
オペラ
上演時間約155分、途中20分の休憩があります