

歌劇院2018台湾アートフェスティバル ─ アピチャッポン・ウィーラセタクン フィルムシリーズ
04/28(土)10:3004/29(日)10:30
アピチャッポン・ウィーラセタクンの作品には文化的な雰囲気や東洋の哲学思想が東方哲思に満ちており、自身の独特な美学を創り上げている。氏の影像は理性的な直線的物語を打ち破り、夢の世界、記憶、自然等の要素が入り混じりながら呼応し、見る者の生活への考え方や想像を大きく広げる。
アピチャッポン監督による初めての劇場作品《フィーバー・ルーム》が台湾で上演されるにあたり、監督は台湾の皆さんのために参考となる多くの作品を選んでくださいました。カンヌ映画祭の「ある視点部門」及びアジア映画祭で絶賛された《光りの墓》や短片選集を鑑賞し、監督の夢のような詩的な映像を一緒に楽しみましょう。
《光りの墓》Cemetery of Splendour
4/28 Sat. 16:30 4/29 Sun. 19:30
【観劇にあたって】
※上演時間約122分。タイ語上演 中国語、英語字幕。
※演出の都合上、開演時刻を過ぎるとご入場いただけませんので、時間に余裕をもってご来場ください。
※推奨年齢:12歳以上
全編通して夢か幻のようだ。
─米国『スラントマガジン(Slant Magazine)
2016年の《光りの墓》はクランクアップ後、すぐにカンヌ国際映画祭の「ある視点部門」に出品、アジア太平洋映画賞ではグランプリを受賞。劇場で上映されている《フィーバー・ルーム》とは、表現方法が異なる双子のようで、二つの夢の世界が楽しめる。
ボランティアのジェンは古い校舎を改築した病院で昏睡したままの兵士たちの世話をしている。ときどき長い眠りから覚めるハンサムな兵士と奇妙な関わりを持つ。ジェンは、兵士のノートに描かれた建築設計図と文字が、彼女に語りかけているような感覚を覚える。ジェンはこの不思議な症状は、病院の地下に古い王家の墓があったことと関係があると深く信じている。伝説、魔法、愛情そして夢の世界。アピチャッポン監督は、詩的な探検を織り交ぜながら、観客を夢と現実が交わる世界へと導く
《アピチャッポン ショートフィルム選集》
4/28 Sat. 10:30 4/29 Sun. 10:30
【観劇にあたって】
※上演時間約95分。タイ語上演 中国語、英語字幕。
※演出の都合上、開演時刻を過ぎるとご入場いただけませんので、時間に余裕をもってご来場ください。
※推奨年齢:12歳以上
監督でもありアーティストでもあるアピチャッポンは、長編映画のほか、更録画器材や短片創作をも行い、またフィールドワークから得たヒントを様々な媒体を通して表現し、それを長編映画のメイン素材へと展開させている。「私が撮った作品で、観客に目の前にあるスクリーンは平面的な幻像ではないということに気付いてもらいたい。」とアピチャッポンは語る。
《フィーバー・ルーム》での現実と夢の世界の探索に合わせ、アピチャッポンは、台湾観客の皆さんのために短編を選んでくださいました。監督の作品における神秘的でもあり真実でもあるシーンを「よく見て」みましょう。
〈CinDi予告編〉
Trailer for CinDi
2011
監督が2011年のシネマデジタルソウル映画祭(CinDi Film Festival)のために製作した予告編。しなやかに揺れるカーテンの動きが、舞台とスクリーンの境界があるようなないような感覚を覚えさせる。
〈国歌〉
The Anthem
2006
タイでは、昔の台湾と同様、映画の前に国歌が流れ、タイ王室に対し敬意を表す。監督は〈国歌〉により、観客の一人ひとりに映画が始まることを告げる。
〈足跡〉
Footprints
2014
2014年ブラジルのワールドカップ(FIFA World Cup)での短編プロジェクト。サッカーと日常生活を呼応させて創作した映像。
〈輝かしき人々〉
Luminous People
2007
現地の村人を雇い撮影したプロジェクト。タイとラオスの国境を流れるメコン河に沿ってゆっくりと船で進む。船上では、死者と生きている人間の消えた記憶を再興する儀式が行われる。
〈Sakda(ルソー)〉
Sakda (Rousseau)
2012
フランスの哲学者、ジャン=ジャック・ルソー生誕百周年を記念した作品。監督の作品によく登場する俳優サクダが主役。作品でルソーは、声や映像が捉えられたら誰に属するのか、と自分に問いかける。
〈世界的欲望〉
Worldly Desires
2005
カップルが神秘的な木を探しに出かけた。夜の森の中で彼らは歌を歌い純粋な愛と幸福の追求について語る。これは、監督が2001年から2005年のジャングルでの撮影生活に想いを寄せた作品。
〈ブンミおじさんへの手紙〉
A Letter to Uncle Boonmee
2009
第63回カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作品《ブンミおじさんの森》にヒントを得、同じ撮影プロジェクトの中で生まれた短片。2008年、監督はタイの東北にあるナブア村を訪れ、ブンミおじさんが捨てた家となる家屋を見つけた。この短編は、監督がブンミおじさんに宛てて書いた手紙で、これから撮る映画プロジェクトを説明した私信である。
監督/ アピチャッポン・ウィーラセタクン Apichatpong Weerasethakul
アーティスト/映画作家。「記憶」を扱う彼の作品は、個人レベルのポリティクスと社会問題を繊細に反映している。タイの映画産業には属さず、タイ内外で実験的でハイブリッドな物語映画を活発に製作。アート・プロジェクトと劇場映画で広く評価を高め、数々のフェスティバルで受賞。カンヌ国際映画祭パルムドールの他、最近ではオランダのプリンス・クラウス・アワードを受賞している。タイのチェンマイを拠点とする。
歌劇院2018台湾アートフェスティバル ─ アピチャッポン・ウィーラセタクン フィルムシリーズ
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タイ語上演 中国語、英語字幕