拾念劇集╳無独有偶╳施如芳『鯨の島』
10/21(土)14:3010/22(日)14:30
『鯨の島』は、台新芸術賞ノミネート・入賞の拾念劇集と無独有偶劇団によるもので、台湾の三金(金馬奨、金曲奨、金鐘奨)の受賞劇作家、施如芳を迎えてコラボした作品です。歴史のコンテキストにそった通常のストーリー展開とは一線を画し、台湾の土地に密着した脚本で、台湾島の特色ある地理的な景観を登場人物の特徴としています。イケメンの黒潮「Kuro」、火山島の強さを代表するママさん「贔屭」、台湾島の形「クジラ」をモチーフにした性格がまったく違う双子の「大魚」と「小魚」が登場人物です。台湾語を用い、ポップ・ミュージックとラップ調の南北管音楽をミックスし、さまざまな姿をしたファンタジックなパペットで、時空を超えた台湾の神話を創作しました。
物語は、津波に呑まれ、息絶えたようになったゴミの島から始まります。運良く生き残った最後の少女ナナはお人形さんとともに海を漂い、互いに助け合います。流れてゆく黒潮は彼女たちに古くから伝わる神話を語って聞かせます。Kuroと贔屭が神々の恩恵を受けた山や平原が入り交じる豊かな島で出会うという物語です。贔屭はKuroの助言を受けて、天地の霊気から生まれた「鯤(伝説の大魚)」と「鯢(伝説の小魚)」を育てることにします。二人は、一人が活動すれば一方が休み、一人が眠れば一人は起きるといった生活を送ります。ある日、遠くからクジラが呼びかける声が聞こえ、「鯤」と「鯢」は大海に向かっていきたいと思い、そして『鯨の島』の奇想天外な漂流が始まります。
劇作家/施如芳(シー・ルーファン)
脚本家。台湾大学戯劇系の兼任助理教授。オーダーメイドの舞台設計を得意とする。幅広い視野、特異なオリジナリティ、文化的な深みによって、その脚本は常に新たな劇場スタイルを生み出す。創作や出版で国家文化芸術基金会の助成対象に選定されているほか、受賞歴も多数。林献堂のエピソードを舞台化した近作『当迷霧漸散』では、従来の展開にとらわれないストーリーを展開した。第5回台湾戯曲芸術フェスのキュレーター。
演出/李易修(リー・イシュー)
演出家、俳優。趨勢教育基金会の劇場監督。国立台北芸術大学劇場芸術研究所(大学院)でパフォーミングを専攻。南管音楽や崑曲、実験的な戯劇など多数のジャンルでモダンと伝統のパフォーミングアートを手掛け、数多くの秀作を残す。22歳で南管音楽に触れるとともに南管の名手である王心心に師事し、特異な表現と創作の旅へ踏み出した。
人形演出/鄭嘉音(チェン・ジャーイン)
無独有偶工作室劇団の共同創設者。利沢国際偶戲芸術村の創設者、台湾大学戯劇系講師。国際的なワークショップで国際的な人形師多数と出会う。人形劇の演出、人形のデザイン・製作、公演のすべてに長けた稀有な存在。上海の戯劇学者、王曉鑫は「古典と現代、中華と西洋が融合したコンテンポラリー人形劇で、独自の道を歩いている」と評する。
南北管の編曲、作曲/許淑慧(シュー・シューフイ)
幅広い音楽ジャンルに関心を向け、各界各層の教師とつながることで視野を広げるほか、創作ために、さまざまな選択肢を開拓する。特定の楽器や特定の音楽ジャンルにとらわれないことから、「南北管の作曲家」として知られるが、その音楽スタイルの変化は南北管のみのものではなく、ポップミュージックの発想を創作に取り入れてもいる。
拾念劇集╳無独有偶╳施如芳『鯨の島』
演劇
上演時間約140分、途中20分の休憩があります
台湾語で上演。台湾華語と英語の字幕あり
500/700/900/1200/1400/1600
※台湾語で上演。台湾華語と英語の字幕あり
※上演時間約140分、途中20分の休憩があります
※推奨年齢7歳以上