ある謎の女性が韻を踏めず死にたがっている退廃的な脚本家に出会います。女性に乞われて、二人で「志明與春嬌」「ロミオとジュリエット」のありふれてはいるけれどスタンダードな劇中劇について語り合います。互いに探りあうなか、この世が果て、この世が終わるかのようなシーンはどんどん変わり、互いに避けて通り気づかなかった生きることの手がかりが浮かび上がってきます。

『君のために韻をふむ－ラブソングRevival』は、脚本界の鬼才、馮勃棣(フォン・ボーディ)によるオリジナル作品で、激しくもあり軽やかでもある平凡な恋を描きます。台湾三大音楽賞の受賞者柯智豪と、音楽界の鬼才、日京江羽人が、『天天想你（日々君を想う）』、『味道（Scent）』、『簡単愛（Simple Love）』などのポップミュージックと定番のラブソングを主体として新たに作曲した作品で、1990年代以降の台湾のポップミュージックとその時代の記憶へのオマージュです。2011年の初演以来、台湾内外での公演は大成功をおさめています。ゴールデンベルアワード（金鐘賞）助演女優賞の孫可芳（スン・クーファン）がヒロインを演じ、脚本、演出も手掛ける王宏元（ワン・ホンユアン）とコメディーを得意とする林家麒（リン・ジャチー）がダブルキャストで主役を演じ、演出の楊景翔（ヤン・ジンシャン）と息がピッタリあったロマンの火花を上げ、都会の男女が繰り広げる笑いあり涙ありのもつれた愛を歌い上げます。

楊景翔演劇団－Yang's Ensemble

2013年の創立。「時代の社会現象を分析し現代を記録」することで、異文化の視点から現代生活を寓言的なテキストに具現化して描く。芸術監督の楊景祥は、創立以来、台湾国際芸術祭、烏鎮戲劇節（Wuzhen Theatre Festival）、新舞台芸術祭などの主なフェスティバルに招聘され、2014年には、同劇団専属演出家の陳仕瑛とともに、海外作品のリメイクシリーズを発表。脚本家の林孟寰とのコラボでSFシリーズ「方舟三部曲」を制作、高雄春天芸術節（スプリングアートフェス）に連続入選を果たした。 2015年に加入したコアメンバー潘冠宏とともに、新世代クリエイターの養成、発表の場である「尚青培訓計画」プラットフォームを主導している。