モーツァルト歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』
10/29(木)19:3010/30(金)19:3010/31(土)14:3011/01(日)14:30
ペリーはいわば劇中劇という形をとった。こうすることによって、コメディア・デッラルテ風の笑劇と近代心理劇を重ね合わせることができる。そこにペリー特有の、登場人物たちのリズミカルでコミカルな動きが重なって、現代人の戯画化された不思議な舞台を作り出すことができる。うーん、ペリーはとんでもない天才だ!!
— 著名な日本人作家 プロフィール
《コジ・ファン・トゥッテ》は破廉恥だ、不道徳だなどといわれることもある。だが、じつは、親が決めた婚約者こそ最善だと信じていた女性たちが、自然に湧き上がる恋愛感情をはじめて経験し、それを解き放って人間として輝く姿を描いた、いわば「女性賛歌」である。フランスの鬼才ロラン・ペリーのファンタジーあふれる洒脱な演出により、「女性の輝き」が深掘りされている。—《Bravo Digital》
愛を証明しようと幾重にも試練を重ねた末に残るのは、忠誠か、それとも砕かれた真心か。
『コジ・ファン・トゥッテ』(Così fan tutte)は、モーツァルトと台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテの名コンビによる二幕の喜歌劇です。2人の若い士官は、自らのフィアンセの変わらぬ貞節を信じていますが、老哲学者は女は移ろいやすいものだと考え、2人に外国の富豪に扮して互いの婚約者を誘惑するという賭けを持ちかけます。盤石と思われた愛も、巧妙に仕組まれた試練によって少しずつ崩れていきます。やがて女性たちが「新たな恋」に心を開くと、男たちは「女はみんなこういうものだ」と嘆くほかなくなります。
©Tokyo Nikikai Opera Theatre “Cosi fan tutte” photo by Masahiko Terashi
音楽が解き明かす人間性:欲望と道徳の間で揺れ動く
『コジ・ファン・トゥッテ』は1790年の初演以来、物語は「荒唐無稽で軽薄」だとして論争を呼んできましたが、今ではモーツァルトの最も優れたオペラのひとつとして評価されています。モーツァルトは、音楽は人間の本質を忠実に映し出すべきだと考えていました。劇中でソロ・アリア以上に重視された複雑な重唱は、当時のイタリア・オペラとしてはきわめて斬新なものでした。リズミカルで躍動感のある旋律は、登場人物が欲望と道徳の間で翻弄される複雑な感情を丁寧に描き出しています。登場人物たちの心の揺れが幾重にも重なり合い、音楽による感情表現とストーリーの緊張感がしっかりと絡み合いながら進む展開は、人間の心の奥底に潜む葛藤を浮かび上がらせます。

©Tokyo Nikikai Opera Theatre “Cosi fan tutte” photo by Masahiko Terashi
鬼才演出家ロラン・ペリーによる時空を越えた現代的解釈:美しくも奇抜な「劇中劇」
本作は、フランスのシャンゼリゼ劇場と、カナダのパシフィック・オペラ・ヴィクトリア、フランスのカーン劇場、そして東京二期会による国際共同制作です。フランスの鬼才、ロラン・ペリーは、舞台を1940~50年代のドイツのラジオ放送局の録音スタジオへと移し替えました。2022年のパリ初演では大きな反響を呼びました。
全編を通して「劇中劇」の構造が取り入れられており、舞台上の役者たちは『コジ・ファン・トゥッテ』の稽古に励む歌手としても存在します。「すべては演技である」という視点を強調することで、かつて“女性蔑視的”と批判された物語を、観客は一歩距離を置いて見つめ直すことができます。これにより、現代の視点から作品を問い直す、より批評的で深みのある解釈の可能性を切り開いています。

©Tokyo Nikikai Opera Theatre“Cosi fan tutte”photo by Masahiko Terashi
モーツァルトが込めたアイロニーと深い愛
軽やかな喜劇の衣の下に、モーツァルトはどうしようもなく深い人間への愛情を忍ばせています。三重唱「風よ、おだやかに吹け」、華麗なコロラトゥーラが光る「岩のように動かずに」、そして皮肉に満ちた「女はみんなこうしたもの」など、時代を超えて愛され続ける名旋律が次々と現れます。林勤超の指揮のもと、国立台湾交響楽団(NTSO)と国内外の優れた歌手たちが、「愛」と「貞節」をめぐる人間の本質に迫ります。

©Tokyo Nikikai Opera Theatre“Cosi fan tutte”photo by Masahiko Terashi

国立台湾交響楽団(NTSO)
1945年に創設された台湾で最も歴史のある交響楽団。台中霧峰を拠点とし、ハード、ソフトの両面ともに充実している楽団で、幅広いジャンルの演奏を手掛ける。2019年より国際的に著名な水藍(ラン・シュイ)を首席客演指揮者に迎え、「演奏技術の向上、伝統の革新、教育の浸透、美学の推進」を使命とし、全国民の音楽的素養の向上に力を注いでいる。歴代の楽団長による基盤づくりのもと、多くの多彩な演奏経験を積み重ねており、これまでに数多くの国際的な楽団や著名な音楽家との共演を果たしている。
NTT×勇源 オペラ合唱団
2020年に台中国立歌劇院の公開オーディションを経て結成された合唱団。団員は、声楽指導、ダンスや演劇的身体表現、発声など、舞台でのパフォーマンスに必要な技術を磨いており、独唱、重唱などで歌劇院の年間上演作品に参加している。
モーツァルト歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』
オペラ
上演時間約200分、途中20分の休憩があります
イタリア語上演(繁体中文・英語字幕付き)
平日公演:600/900/1200/1800/2400/3200/4200/5200
土日公演:900/1200/1800/2400/3200/4000/5000/6000
台中国立歌劇院
芸術文化支援
指定宿泊



※上演時間:約130分、途中15分の休憩時間あり
※言語:イタリア語上演(繁体中文・英語字幕付き)
※推奨対象年齢:7歳以上
※公演内容等に変更が生じた場合は、公式サイトにてお知らせいたします。