オペラコンサート ワーグナー 『タンホイザー』
10/21(金)19:3010/23(日)14:30
『タンホイザー』はワーグナーの代表作のひとつで、19世紀末の欧州では百を超える作品が制作されています。序曲は特に、現在、コンサートで大変人気があり、プロットはシンプルですが、あふれるような感情の高まりがあり、ワーグナーのオペラを知るための最良の入門作品です。
中世の伝説をもとに制作されており、吟遊歌人の騎士、タンホイザーがヴィーナスに誘惑され肉体の快楽におぼれた後、かつて愛したエリーザベトのもとへ戻ろうとしますが、衆人から叱責を受け、教皇にも許しを拒否されます。神の許しを得る唯一の方法は、教皇が手にしている杖から花が咲くのを待つしかありません。ワーグナーは、高揚感が次々に押し寄せる音で、精神的な愛と肉体の欲望との葛藤を赤裸々に描き出します。彼が描く愛は、愛というだけではなく、人生の理念の矛盾した選択は、死によっても逃れることはできないというものです。
ワーグナーは『タンホイザー』をなんども改訂しており、さまざまなバージョンが存在しています。そのなかでもパリ版は最もバランスのとれた完成度の高いものとなっています。
今回、再び、国家交響楽団の常任指揮者を務める張尹芳と劇場監督の鴻鴻のコンビが、台湾の声楽家とNTT歌劇合唱団と手を取り合い、室内楽の編成により、2021年歌劇院制作によるパリ版『タンホイザー』を上演します。公演では、タンホイザーが精神と肉欲の間でもがき、最後には救済へと導かれる様を現代的な視点から解釈します。
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