「五府千歳」と呼ばれる神様が海を渡って台湾に来たとき、槺榔山の山中にすばらしい「虎穴」を見つけ、後にこの場所に廟を建てようと銅銭を埋めました。

それから数年たち、五府千歲が風水に恵まれたこの場所に戻ってきたところ、槺榔山はすでにここで修練を積み得道した成仏できない魂の首領「囝仔公（餓鬼）」に占領されていました。 囝仔公は、死ぬ前に銅針を埋めたのが証拠だと主張します。五府千歳も負けじと、ここに血染めの銅銭を埋めたのが証拠だと言い返します。両者の言い争いは止むことなく、土地の神様の土地公の立ち会いのもと、掘り返してみることになりました。すると、銅銭の穴に銅の針が刺さっているのが見つかりましが、これでは判断できません。両者の争いは、言い争いから武力対決へとエスカレートし、一触即発の気配です…。

『鯤鯓平卷』は明華園戲劇総団、2020年の新作です。国家文芸奨を受賞した陳勝国が台湾沿岸部の特色を色濃くもつ王翁信仰を背景として、民間に伝わる物語「南鯤鯓五府大戦囝仔公」を改編・脚色したものです。男役のトップスター孫翠鳳、No.1道化師の陳勝在、劇団の女役を代表する鄭雅升が明華園の三代目の若者たちを率いて、明華園が得意とする神仙戲を上演します。

明華園戲劇総団

1929年の創立。歌仔戲の発展、衰退の浮き沈みを経験してきた。親しみやすい動きのある動きで舞台をわかせる。舞台は鮮やかに彩られ、生き生きとした演出、時代を反映した公演内容は、庶民の生活から生まれた歌仔戲を野外劇場から国の芸術の殿堂で上演するまでに成長させた。「東洋のミュージカル」の創出を目標に掲げる明華園は、台湾の歌仔戲を世界へと発信している。その足跡は世界五大陸に及び、公演の素晴らしさは国際舞台を魅了している。