洪唯堯『サックス・イン・ザ・ミドル(Sucks in the Middle)』
05/17(金)19:3005/18(土)13:0005/18(土)16:0005/18(土)19:3005/19(日)13:0005/19(日)16:00
この時代にどうやって前に進めばいいのか迷っているのではないでしょうか。『神不在的小鎮(神のいない町)』、『微醺大飯店(ほろ酔いホテル)』を手掛けた洪唯堯監督による最新イマーシブ作品『サックス・イン・ザ・ミドル』は、台中という台湾の真ん中に位置する土地から出発し、消えた大肚王国とパイバラ族、ホテルのエロティシズムやヤクザ文化、怪談や都市伝説、宗教や民間信仰、東協広場前の外国人労働者たちといった都会のダークサイドを「中間に挟まってしまっている」30〜40歳の台湾人の状況に投影し、様々な現代の現象や自分探しを通じて、改めて彼らの焦りや憂鬱などを探り、いわゆる「寝そべり族」にならざるを得ないこの時代にどう向かい合うべきかを問いかけます。洪唯堯は、演出、音響、音楽、視覚、混乱の表現、観客の神経への衝撃など、自身が得意とする舞台アレンジによって、肉体的な解放や自己と未来について考える旅へと観客を誘います。
サックス・イン・ザ・ミドルは、あらゆる世代の立場に立って発言することを意図したものでもなく、政治的に正しい歴史を描いたものでもありません。舞台では、複数の焦点で多くの出来事が同時に起こっており、物語のセグメントは、それぞれ独立しながらも互いにかかわりあい成立し、はっきりとした言葉があるわけでもありません。イマーシブ手法を取ることで観客はストーリーに身を置き、身体を使い言葉を使わないことで、もっとも自然な感情の交流に戻っていきます。ここには身動きが取れないような人生はなく、今、この瞬間をともに体感することができます。もしかしたら、憂鬱が生活の代名詞になっているかもしれませんが、一緒に声を上げてSucks in the Middle!と叫ぶことで、人生は勇気を出して進むことができるかもしれません。
演出/洪唯堯(ホン・ウェイヤオ)
国立台北芸術大学演劇科卒業。演出家でありパフォーマーでもある。2016年に劇団「進港浪製作所」を立ち上げ、団長を務める。今年、新たに劇団「風狗浪(Rouge Wave)公司」を立ち上げ、没入型パフォーマンスを専ら手掛ける。
作品はライブ・パフォーマンスにこだわったものが多く、様々な舞台と観客との関係に挑戦することを好み、すべての作品を実験とみなしている。『神不在的小鎮(神のいない町)』、『微醺大飯店1980’s(ほろ酔いホテル1980’s)』、高雄映画祭での『微醺列車(ほろ酔い列車)』、『明日俱樂部』、『微醺大飯店(ほろ酔いホテル)』などを発表。最近の作品には、レクチャー・パフォーマンスの姉弟三部作『家庭浪漫(ファミリー・ロマン)』、『祖母悖論(おばあちゃんパラドックス)』、『三生萬物(三は萬物を生ず)』や、オンラインパフォーマンス『垃圾時間(トラッシュ・タイム)』がある。他の代表作として『人類派對(人類パーティ)』、『時差』、『夢遺(夢精)』などもある。
演出/洪唯堯(ホン・ウェイヤオ)
プロデューサー/鄭涵文(ジェン・ハンウェン)
照明デザイン/黄彦勳(ホアン・イェンシュン)
舞台デザイン/陳嘉微(チェン・ジャアウェイ)
音楽デザイン/曾韻方(ツェン・ユンファン)
衣装デザイン/陳玟良(チェン・メイリャン)
出演/呉立翔 、楊迦恩、黄懐徳、林思辰、張汶皓、蔡佾玲、頼玟君、韓婕
洪唯堯『サックス・イン・ザ・ミドル(Sucks in the Middle)』
演劇
上演時間約70分、途中休憩はありません
800
※上演時間約70分、途中休憩はありません
※推奨年齢12歳以上
※強烈な閃光、火、ヌード、大量のスモークなどの演出がありますので、予めご了承ください
※動き回るパフォーマンスのため、軽装でご鑑賞ください