スペインのパフォーマンス集団「ラ・フラ・デルス・バウス」
スペインのパフォーマンス集団「ラ・フラ・デルス・バウス」
日本の作曲家、坂本龍一の指揮による壮大な交響曲をバックに、1992年のバルセロナ五輪の開会式での「ラ・フラ・デルス・バウス」の演出は、今でも何度も繰り返し味わいたくなるすばらしい演出だった。ダンス、雑技、サーカス、機械操作、そしてスペクタクルなパフォーマンス、巨大な人形、機器や映像などが駆使され観客の目を奪った。おもしろさ、演出技術と芸術コンテンツを併せ持った突出した劇団である。
「ラ・フラ・デルス・バウス」は、スペクタクルで前衛的な劇団として知られているが、実は多くのオペラ作品をも制作している。『指環』シリーズの他、誰もが知っている『蝶々夫人』、『仮面舞踏会』、『トゥーランドット』、錚々たるところでは『アイーダ』『パルジファル』、更には二十世紀マスターリゲティの代表作『マクベス』など、その多才ぶりがよくわかる。ほかにも、さまざまなタイプの作品を携え、旗揚げから間もなく40年となる「ラ・フラ・デルス・バウス」は、これからも舞台パフォーマンスの限界に挑戦し続ける。